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【 仕事のレシピ化・仕組み化 】(5/23) ここを間違えると、どんなにチェックシートを作っても全部ムダ! 「チェックシート化の対象にすべき仕事」の選び方について②

▼『ESTRELA』誌 2015年9月(No.258)号 お金も時間も稼ぎだす「仕組み化」実践コラム 第5回 今回はもう1つの「チェックシート化すべき仕事を見つける目安」である「何度もやる仕事」についてお伝えします。 前回、確認した目安は「かんたんな仕事」でした。

たとえ作業系の仕事であっても、いきなり壮大で難しい仕事のチェックシート化をすると間違いなく挫折します。 しかし、「かんたんな仕事」のチェックシートはすぐに作ることができ、すぐに効果を実感でき、そしてすぐに改善することができるので、仕組み化初心者にはおすすめです。 むしろ、初心者こそ、「かんたんな仕事」のチェックシート化をバカにせず取り組むべきなのです。

それでは、もう1つの基準である「何度もやる仕事」のチェックシート化のメリットは何でしょうか。

それは、一度の作業で短縮できる時間が短くても、回数が多ければトータルで大きな時間を減らせられるからです。

私が実際に現場に入って改善を行ったコンサルティング会社の事例をお伝えします。

そちらで仕組み化を推し進める際に、私がお話を聞いて一番最初に仕組み化の対象にしたのが「顧客への報告書作り」という作業でした。

独自の分析資料や様々なシステムで作って印刷した資料をまとめ、1冊の冊子の形にまとめて綴じ込み、顧客に定期的に渡す仕事です。

この作業、当初は長く勤めているパートさんが1人で担当されていました。

単なる作業なのでそれほど手間がかからない仕事かと思いきや、色々なシステムを使ったり資料作成などの実作業が求められることもあって意外とやることが多い作業で、その熟練のパートさんに頼らざるをえない状況でした。

その熟練の方であっても、1つの資料を作るのに2時間を要していました。

他にもチェックシート化すべき対象の仕事の候補は多数あったのですが、私は “ある判断” のもと、まずはこの「顧客への報告書作り」という仕事からとりかかることにしたのです。

この時は私がチェックシートを作りまして、2時間の作業時間が1時間に短縮。

チェックシート作りにかかった時間は、ヒアリングも含めて5時間。

「5時間もかけたのに、短縮できたのは1時間だけ?」と感じられる方もいるかもしれません。

しかしこれはある狙いがありまして、結果としてお客様からは非常にご満足頂けました。

私がなぜこの作業を一番最初に仕組み化の対象とする “ある判断” をしたのか。

それは、こちらのコンサルティング会社が1年間に1,400回、この「顧客への報告書作り」作業を行っていたからなのです。

1つのチェックシートで浮いた時間は1時間ですが、しかし年単位で見ると削減した時間は実に1,400時間。

これは、パートさん1人が1年に働く時間に相当するほどの時間です。

熟練のパートさんの時給が社保等の会社負担分も含めて1,800円以上だったので、人件費に換算してみると1年で約250万円分相当が浮くことに。

しかもこれらの効果は1年のみならず、チェックシートの作業内容が変わらない限り、今後もずっと続きます。

ちなみにこの仕事はその後、新米のパートさんが担当になり、この熟練のパートさんは他のもっと貢献度の高い仕事に就いてもらうことになり、人材の有効活用にも役立ちました。

生み出す時間を考えるのにあたっては、1年という単位で区切って考えることが有効です。

「1年で生み出す時間」を考えた場合、これは次の要素から成ります。

・1年で生み出す時間

  =(1)1つのチェックシートが生み出した時間

  × (2)チェックシートが1年間で使われる回数

目の前の仕事をチェックシート化する際には、そこそこチェックシートを作ってきた私ですら、「チェックシート化によって○時間、生み出せる」とは断言できません。

つまり、一般的にはなかなか事前に(1)の要素を想定することができませんが、(2)であればだいたい予想はつきます。

たとえ(1)の生み出した時間が5分であったとしても、1日に5回やる仕事で、営業日の240日間で毎日発生する仕事であれば、これだけで1年で100時間も生み出せてしまいます。

とはいえ、まとまった時間で100時間であれば有効活用のしようがありますが、毎回5分だけ浮いても…と思われるでしょう。

しかし、その仕事をチェックシート化することで、時に、自分ではなく他の人にその仕事を丸々任せることができます。

また、たった5分の仕事でも、やることと手順を思い出し、実作業の時間をかけ、という労力が省けます。

この省ける労力は、仕事によっては時間を生み出す以上に有用であることが多々あります。

それでは、たとえばどのような仕事が「何度もやる仕事」に該当するのでしょうか。

例を挙げてみます。

 ・バイク便の発送

 ・郵便切手の買い出しと保管

 ・最初に出社した場合の、お店や事務所の準備

 ・最後に退室した場合の、部屋の戸締り

 ・出社した際に、仕事を始めるまでの段取り

まずはこのような仕事や作業からチェックシートづくりを始めてみましょう。

これまで見てきたように、自分の仕事をチェックシート化するにあたって、手当たり次第にチェックシートを作っていくのではなく、まずは時間を取り、「かんたんな仕事」と「何度もやる仕事」を洗い出すことが重要です。

理想を言えば、「かんたんな仕事」でかつ「何度もやる仕事」を見つけられればベストです。

しかし、最初からこの組み合わせの仕事を見つけるのは慣れていないと時間がかかりますので、まずはそれぞれの基準をもとにチェックシート化すべき仕事を挙げてみましょう。

切れない斧で木を叩いても切れません。

まずは斧を研ぐという準備から始めましょう。

それでは最後に、今回もワークをやってみてください。

制限時間:2分

目  標:最低、5つ

テ ー マ:自分の仕事で「1年のうちに何度もやる仕事」は何ですか?

この結果は、「あなたが仕組み化・チェックシート化する際に手を着ける仕事リスト」です。

前回のワークでやった「かんたんな仕事」リストとともに、チェックシート化を推し進めるにあたりお役立てください。

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