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月次決算をさらに早く進めるためには? 月次決算早期化のための15のポイント

今回は、「月次決算の早期化」や「会計入力業務の効率化コンサル」において、私が現場で行っていることをお伝えします。

・月次決算を少しでも早くしめて数字をみたい。

・会計事務所があまりにも遅いから、自社でできるようにしたい。

・今の会計担当がいなくなったら経理業務が崩壊するから、

 次の担当者を育てておきたい。

このような、月次決算に関するご要望をよく耳にします。 実際、私の元にも月に数度、ご相談を頂くことがあります。

私は税理士としてのお仕事をしつつ、仕事の効率化や、その仕事を誰でもできるようにするためのレシピ化・仕組み化のコンサルティングも行っています。

先日、ある大手税理士法人でも1ヶ月はかかっていた月次決算の早期化のコンサルティングを行いました。

結果、その決算は、わずか1日で終えられるように。

時間を計測したところ、約6時間30分で月次決算をしめられるようになりました。

そちらの会社では会計担当の追加採用を検討していたのですが、早期化の結果、現状の人員でも仕事が回るということになり、この採用は見送りに。

結果、300~400万円程度の人件費が浮くことになりました。

それでは、私はその現場でどのようなことを聞きだし、整理し、マニュアル化しているのでしょうか。

15のポイントに絞ってお伝えします。

▼ まずすぐにやること

1.担当者が、普段やっていることをやってい

  る通りに、そのまま聞き取って洗い出す

この時点では、まだ効率化等は考えません。

とにかく優先すべきは、現時点の作業の洗い出しです。

焦らず、じっくり細かな部分まで聞き取りを行っていきましょう。

これがマニュアルを作る際のたたき台になります。

▼ 具体的なコンサル手法・作業

2.会計入力前に手元にそろえておくべき資料

  等は何か

会計入力をする際に、「あの資料がなかった」とか「あのデータを準備するのを忘れていた」となると、非常に不効率です。

「あとは会計入力をするだけ」という状況を作るためには、どのような紙資料・データ・情報を手元にそろえておく必要があるのか、洗い出していましょう。

3.うち、他部署等にそろえてもらう資料等は

  何か

会計入力の場合、時に営業等の他の部署からも資料をもらうことがあります。

他部署や外部に依頼をする資料が何か、を洗い出すのと並行して、

 ・その資料を誰にお願いするのか

 ・いつまでにお願いするのか

 ・いつまでにもらうのか

といったことも書き出します。

4.どの仕訳入力の際に、どの資料等を使うの

  か

各仕訳は、どの資料をみて入力をするのか、を明らかにします。

過去の仕訳一覧等を印刷し、各仕訳と手元の資料との紐づけを行います。

洗い出しをする際には、Excel等に書き出しておきましょう。

定期的なメンテナンスは必要ですが、一度作っておけば、仕訳からの資料、資料からの仕訳確認が断然スムーズになります。

不足資料等の確認もすぐにできます。

5.その各資料等が、自分の手元にくるのは

  いつか

  各資料等を受け取る期限をカレンダーや

  タスクに登録する

社内やオンラインのカレンダー・タスクに、各資料が来るべき締め切りを登録しましょう。

事前のリマインドを送る日や、催促の日も登録しておくとよりラクです。

特に、他部署や外部に資料をお願いする場合はどうしても遅れがちなので、こちら側で資料準備のスケジュール管理が必須です。

6.CSV等、データとして受け取れるものは

  あるか

会計入力の資料としては、やはりどうしても紙資料の方が多い傾向にあります。

しかし、自社で使っている請求管理のシステムから、その月の請求情報=売上情報をデータとして出せることがあります。

これを加工して会計ソフトに流し込む、ということもできるので、データでもらえる数字情報がないかを確認します。

7.各作業の流れややり方は定まっているか

  定まっているなら、マニュアルにできて

  いるか

ある一つの仕訳を入力するだけでも、実はいくつもの「作業」があります。

・どの会計ソフトを起動するのか(年のVer.違いなど)。

・仕訳を入力する画面はどこをクリックして開くのか。

・その仕訳の入力で使う資料はどれか。

・その資料のどこをみて、ソフトに入力するのか。

担当者はこれらを頭と体で覚えてしまっていますが、他の人でもできるよう、定まったやり方の有無を確認し、それがあればマニュアル化してしまいます。

8.特定の人しかできない作業はないか

  あれば、他の人でもできるように

  聞き取り・マニュアル化する

「この仕事はあの人しかできない」という状況は、会社からすると好ましくありません。

その人がいなくなった途端にその業務が破たんし、大きな時間的・金銭的なムダがで出てしまうからです。

特定の人がやっている作業を洗い出し、その作業を上記の7.と同じ要領でマニュアル化していきます。

9.ムダな手打ち入力はないか

いわゆる「根性入力」という、気合と根性だけで会計ソフトに手入力をしているケースがあります。

しかし、仕訳と資料の紐づけや、先にみたデータの流し込み等の工夫で、その作業時間を大幅に削ることができます。

「この会計入力、面倒だなぁ」と感じたら、すぐにそれを解決するのは難しいケースがあるので、その「面倒だ」と感じた作業の書き取りだけでも行っておきましょう。

それが、「改善対象の作業」リストとなります。

10.仕訳の摘要をどこまで省けるか

実は、仕訳の「摘要」はそこまで厳密に記載する必要がありません。

たとえば、交際費の社内・社外人数の記載が、領収証や経費精算の書類にすでにあるのに、仕訳にまたわざわざ手打ち入力をしているケースなどがあります。

領収証や経費精算も「会計帳簿」の一環であり、仕訳と資料の紐づけさえできていれば、仕訳の摘要にまた会計帳簿と同じ情報を書く必要はないのです。

仕訳の摘要を簡略化するだけでも、地味ながら、効率化にはかなり有効です。

11.仕訳の省力化のためにExcel等で集計できる

  ものはないか

1つの取引について1つの仕訳を入力する必要はありません。

取引の中には、集計表を作り、その合計額だけを入力すればOKというものも多々あります(集計表は印刷して会計帳簿と一緒に保存しておいてください)。

たとえば、カード明細や経費精算、掛売上、掛仕入、未払費用など、「集計して仕訳は一本だけでOK」というものがあります。

これもかなり効率化ができるうえ、会計の知識がない人や経験の浅い人でもできる仕事が分かり、仕事の分業も可能になります。

12.仕訳の型を登録できないか

いわゆる「仕訳辞書」を登録していきます。

いつも同じ仕訳を、いちいち仕訳を思い出して根性入力する必要はありません。

たとえば、「受取利息」や「源泉アリの報酬の支払い」など、会計ソフトによってはその仕訳の「型」を登録し、都度呼び出して数字と日付だけを入力する、ということができます。

13.これらの作業を、カンタンな順に並べる

ここまでの作業をならべ、カンタンなもの・すぐに終わるもの順に並べましょう。自社の決算のおおまかな流れが見えてきます。

仕事のレベルに応じて、担当者を割り振る作業一覧表としても使えます。

14.その順にしたがってマニュアル化する

まだマニュアル化できていないところを補完していきます。

マニュアル化の具体的なコツについては、過去の投稿をご参照ください。

▼ 注意

15.マクロは、なるべく使わない

私は、Excelのマクロの利用はあまりすすめていません。

「絶対に使うな」ということではありません。

比較的高度な作業な上に時間もかかり、さらには、マクロを使える人がいなくなったらその仕事が崩壊しがちです。

これまで、そのような会計事務所や会社をいくつも見てきました。

マクロは、それをメンテナンスできる人がいなくなった途端、ゴミデータと化します。

マクロを作るよりも、まずは上記1.~14.のように、時間と手間がかからないが効果的な対応策が多々ありますので、それらを優先すべきです。

大まかな流れができ、資料収集と各作業がスムーズに対応できるようになってからでも、マクロによる効率化は遅くはありません。

これらをやれば、かなりムダを省くことができ、結果、仕事をスムーズに進めることができると思います。 自社でこれらができているかのチェックを兼ねて、1から順に確認してみてください。

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