【 仕事のレシピ化・仕組み化 】(11/23) 記憶力の無駄づかいを防ぐ! 頭の負担を減らし、やるべきことをもらさず管理する「タスク」の概要
▼『ESTRELA』誌 2016年4月(No.265)号
お金も時間も稼ぎだす「仕組み化」実践コラム 第12回
今回は、私流の「タスク」の活用法について解説していきます。
今回はその概要です。
私たちは、「記憶力」ではすでにパソコンやデジタルツールにはかないません。
「記憶力」に頼って仕事をすることは、デジタルツールと張り合うことになります。
しかし、
・何かを考え出すこと
・既存のアイデアを組み合わせて新しいものを想像すること
・相手に応じて臨機応変に対処すること
・より良い仕事のやり方を考えて仕事を効率化すること
などは、まだまだ人間でないとできない仕事に分類されることでしょう。
すでにデジタルツールがこれだけ拡がった現在、私たちはこの「人間でないとできない仕事」のスキルレベルをあげていくべきだと考えます。
また、普通の人は「記憶力」に限界があるため、仕事上の知識等ならまだしも、どの仕事をいつ行い、いつまでに終えるのか、報告するのか、といった情報までをもすべて覚えるとなると、これは相当大変です。
人間ですから、時に忘れてしまうこともあるでしょう。
これがプライベートの予定やタスクならまだしも、仕事に関するタスクの場合、死活問題につながることもあり得ます。
そこで、私は、少しでも自分の頭の負担を減らし、人間でないとできない仕事・私だからこそできる仕事に振り分ける余力を温存し、そして仕事上のミスを起こさないために「タスク」ツールを活用しています。
この「タスク」ツールに、仕事・プライベートかかわらず、あらゆる「やること」を登録してしまうのです。
人によっては、手帳や手元のメモ帳に今日やることを書き出す方もいることでしょう。
その最大のメリットは、「すぐに書き出せる、消し込める」という事だと思います。
私も社会人になりたての頃は、先輩からこの方法をすすめて頂き、毎日やっていました。
しかし、この方法を続けていく中で、私は大きな問題に気付きました。
書いたタスクは手元にあり、それを消していくので、もれなく対処できます。
しかし、私のような会計・税務の仕事は、単発の仕事のみならず、「繰り返しの仕事」も非常に多いのです。
たとえば、次のような仕事です。
・毎月●日に、お客様に資料の依頼をする。
・3ヶ月に一度、四半期のまとめを報告する。
・半年に一度、源泉所得税の納付額の計算をする。
このような定期的に発生する「繰り返しの仕事」がある場合、紙にタスクを書き出すと、この「繰り返しの仕事」をその都度思い出してタスクに書き出す必要が出てきます。
この、「思い出してタスクに書き出す」ということ自体が記憶力に頼ることになり、この書き出しでもれてしまいミスをしてしまったことがありました。
つまり、「タスクを紙に書きだす」という「アナログ」なやり方には、「繰り返しができず、毎回、タスクを思い出す」という最大の弱点があるのです。
しかし、「デジタル」なツールであれば、一度繰り返しの設定をしておけば、
・○日おき
・○ヶ月おき
・○月の最終営業日
など、定期的に登録したタスクを表示してくれます。
このやり方に切り替えて以来、タスクの抜けやもれがなくなり、また、私自身も、「今日やるべきタスクの洗い出しを思い出す」という記憶力のムダ遣いがなくなり、非常にラクになりました。
ちなみに私は、いまだにOutlookの「タスク」をタスク管理ツールとして活用しています。
本来、Outlookはメールソフトです。
私はメール自体はGmailを使っており、Outlookを使うことはありません。
しかし、このタスクの機能が非常に優れており、繰り返しの設定が豊富にあって使い勝手が良いのです。
また、インストール型のソフトという事もあり、動きが非常に軽快です。
あまりにも便利で、使い始めて7年以上経ちます。
他にも様々なソフトやサービス、アプリを試してきましたが、私はいまだにこのOutlookのタスクを使っており、初めての方にはおすすめしています。
なお、Windows以外のパソコンを使っている方も多いので、Outlook以外のツールもお伝えします。
この投稿現在だと、以下のツールがおすすめです。
ぜひ試してみて、ご自身に合うツールを見つけてみてください。
▼「パソコン」でタスクを管理する場合
・Outlookの「タスク」(おすすめ)
・Googleカレンダー
▼「モバイル」でタスクを管理する場合
・GoTasks
▼「パソコン」「モバイル」の両方でタスクを管理する場合
・Wunderlist(おすすめ)
・Jooto
・Todoist
・チャットワークのタスク
なお、タスク管理ツールを使う場合は、これを厳守してください。
使うツールは、なるべく1つに絞ること。
私も当初、仕事はOutlook、プライベートはGoogleカレンダーに登録、というようなことをやっていました。
しかしこれはすぐ破綻することに。
仕事とプライベートの明確な分けができないタスクが出てきて登録するツールに悩んだり、間違えて別の方に登録してしまってそのタスクをもらしてしまったりしました。
何より大変だったのは、ツールの管理です。
「新しいタスク管理ツールを使う」という事自体、意外と面倒な作業で、並行して違うサービスを使うのは非常に億劫でした。
しかも、タスクをこなすためには、その2つのサービスを毎日チェックしなければなりません。これも面倒で、すぐ崩壊してしまいました。
併用をやめて1つのツールにすべてのタスクを集約・一元化することにしてからは、そのツールだけを見れば良いのでかなり負担が減り、漏れ等もなくなりました。
それでは今回の「タスク」の概要をまとめてみましょう。
① なるべく、デジタルな方法で記録する
② 仕事のタスクもプライベートのタスクも放り込み、一元管理をする
③ 使うツールは1つにする
特に最初のうちは、この3原則は必ず守るようにすることをおすすめします。
なお、このタスク管理ソフトを普通に使うと、かなり多くの人たちが挫折したり、タスク管理が崩壊したりします。
実はこれには大きな原因があります。
この詳細については次回、私が実際に登録しているタスクを実例として挙げて解説していきます。