【 仕事のレシピ化・仕組み化 】(4/23) ここを間違えると、どんなにチェックシートを作っても全部ムダ! チェックシート化の対象とすべき仕事の選び方について①
▼『ESTRELA』誌 2015年8月(No.257)号 お金も時間も稼ぎだす「仕組み化」実践コラム 第4回 前回は、仕組み化で使う3種類の主なツールを解説しました。 少しおさらいしましょう。
自分の仕事を仕組み化するにあたっては、「行動化」を意識した上で、次の3つのツールを使います。 それが、 ① チェックシート ② リスト ③ タスク でした。 それぞれの現物例は前回の投稿をご参照ください。
今回以降は、各ツールの基本について解説します。 今回は「チェックシート」です。
余談ですが、本来であれば、仕組み化の定義や意義、仕組み化の有無によってどれだけ時間ができるのか、その結果どれだけ人生が変わるか、といったお話を先にするべきかもしれません。 しかし本連載では、「仕組み化でやること」「作るもの」を先にお伝えします。 どういうものを作るのかをイメージし、仕組み化を実践して頂きつつ、あとから意義などを補完的にご理解されることで、仕組み化の理解を深めていって頂こうと考えています。
それでは「① チェックシート」の基本についてみていきましょう。
「チェックシート」とは、一般的にいうところのマニュアルのようなものです。
その「チェックシート」を読んで、そこに書いてある指示の通りに動けば、初心者でも未経験者でも成果を出すことができ、かなりの時間を短縮できるというツールです。
しかしこの「チェックシート」はあまり作られていないことが多いのが実情です。 作ろうと思っても、時間を作るために「チェックシート」を作りたいものの、そもそも「チェックシート」を作る時間自体がなかったり、作り始めても途中で挫折してしまったりします。 『「チェックシート」を作る 』という作業は、実はかなりハードルが高いものなのです。
そこで今回は、『「チェックシート」を作る』にあたっての注意点をお伝えしていきましょう。
『「チェックシート」を作る』と言っても、実はこの言葉、行動化されていません。 行動化の考えを取り入れて、さらに分解してみましょう。
「チェックシート」を作るにあたっては、まずは、『チェックシート化の対象にする仕事を選ぶ』という作業があります。
これをおろそかにして勢いでチェックシートを作っても、そのチェックシートは誰からも使われなくなる「死にマニュアル」化してしまうでしょう。
それでは、どのような仕事をチェックシート化の対象にすべきなのでしょうか。 それは次の2つです。
① かんたんな仕事
② 何度もやる仕事 今回は、この「① かんたんな仕事」からみていきましょう。
チェックシートやマニュアルを作る際に、ほとんどの人が、なぜか、難しくて壮大な仕事を対象にしてしまいます。
チェックシートを作ったこともない人が、突然、難しくて壮大な仕事のチェックシート化を進めても、まず間違いなく挫折するでしょう。 そのような仕事はいったんおいておくべきです。 おそらく、手を着けるのは相当先になると思います。
ここでいう「かんたんな仕事」とは、たとえば、 ・郵便物やバイク便の発送 ・交通費や経費精算の手順 ・コピー用紙の在庫が切れた時の発注・対応法 などが挙げられます。
「そんな仕事、チェックシートなんかなくてもできるでしょ」と思われるかもしれません。 しかし、このようなかんたんな仕事を対象にするのには、大きな3つの理由があるのです。
(1)すぐに作れる
(2)すぐにチェックシートの良さ・効果を実感できる
(3)すぐに見直して、改善できる
かんたんな仕事をチェックシートの対象にすることで、すぐにチェックシートを作ることができ、その良さもすぐに体感できます。
チェックシートの良さが分かれば、多少、時間を割いてでもまた作ろうと思えます。
慣れてくると、徐々に難しい仕事のチェックシート化にも挑戦できるようになるのです。
仕組み化自体の作業は、言ってしまえば、やらなくてもよい作業。
人は、メインの業務に使うべき余力と時間を割いてまで、メリットのない作業をしようとは決して思いません。
だからこそ、作ったチェックシートの良さをすぐに体感できることは重要なのです。
ちなみに、作るチェックシートの分量ですが、イメージは「A4一枚で作れるくらい」の量がおすすめです。
この「かんたんな仕事」、あなたがもうすでに理解していて、いつでも口頭で説明ができるような仕事であれば作りやすいのでなお良いでしょう。
かんたんな仕事のチェックシート化はつい軽視されがちで、実際に作る人も少ないと思います。
しかし、かんたんな仕事のチェックシートも作れずに、難しくて壮大な仕事のチェックシートなんて決して作れません。
私の場合、一番初期に作ったチェックシートは、次のような仕事・作業でした。
① バイク便の発送のしかた
② 家をでる時の戸締りの手順
③ 会社に着いた時の、仕事の準備手順
たとえば、①を作ったことでチームの子たちがすべて対応してくれるようになり、この会社を退社するまで、一度もバイク便の作業をしないで済みました。
1回5分ほどかかるこの仕事が1日に数回あるので、この1枚のチェックシートのおかげで、意外と多くの時間を短縮できました。
このように、チェックシートを作るにあたっては、その対象となる仕事の選別が非常に大事なのです。
まずは、あなたにとって「かんたんな仕事」のチェックシート化を進めていきましょう。
読みっぱなしで終えないよう、次のワークをやって、仕組み化の一歩を踏み出しましょう。
制限時間:1分
目 標:最低、3つ。
テ ー マ:自分の仕事で、すぐにチェックシート化できそうな
「かんたんな仕事」は何ですか?
ただでさえ忙しく、メインの仕事にもっと時間も余力も割きたいのに、雑務で時間を奪われているのはもったいない!
ぜひあなたのチェックシートの対象を定めて、次回以降の具体的な「作り方」を活用し、時間を生みだしていってください。