【 仕事のレシピ化・仕組み化 】(3/23) 「仕組み化」もツールも、「行動化」の考えが大前提! 「行動化」の振り返りと、「仕組み化」のツールの概要について
▼『ESTRELA』誌 2015年7月(No.256)号 お金も時間も稼ぎだす「仕組み化」実践コラム 第3回 前回まで、「仕組み化」の概要とその前提となる「行動化」についてお伝えしてきました。 「行動化」を意識した指示をすると、たとえ初心者や未経験者であっても、指示をされた直後に具体的に何をすれば良いのかが分かるので、成果を出しやすくなります。
この「行動化」は、「仕組み化」を会得するうえで非常に大事なスキルなので、簡単におさらいをしておきましょう。
この私からの指示を聞いて即座に対応できるでしょうか?
「納特の納付書を適当にもらってきて」
具体的に何をやれば良いのか、すぐには分からないのではないでしょうか。 この指示を「行動化」ベースに直すと次のようになります。 ▼
中野税務署の1階の総合窓口で、次のように伝えてください。 『「税務署名」が「中野」の【 源泉所得税の納期の 特例の納付書 】を20部ください』
納付書をもらったら、次の2点をチェックしてください。
・納付書の上部の「税務署名」が「中野」になっているか?
・納付書の右側の「納期等の区分」が1行ではなく2行になっているか?
違っていれば、もう一度窓口で依頼し直してください。 OKなら帰ってきてください。 もらってきた納付書はすべて、事務所の書類棚の上から3段目の手前にしまっておいてください。 ▲ ここまで言われれば、ほとんどの方がこの仕事をできるのではないでしょうか。 人に効率よく仕事をしてもらうためには、この「行動化」ベースの指示が必要なのです。
あなたに部下が5人も10人もいる場合、毎回、このような「行動化」を意識した指示をするのは非常に手間で面倒です。 しかし、もしあなたが「行動化」を意識した指示を出せるようになっていれば、その指示を紙に書いたりExcelやWordに入力したりして、いわゆるマニュアルを作っておき、必要な時に相手に印刷して渡せば、その仕事の指示は一瞬で終わります。
この「行動化」を意識したツールを活用して仕事を効率よく自動的にまわしていくのが、仕事の「仕組み化」なのです。
ところで、「マニュアル」と聞くと、「使えないものも多い」という印象を持つ方もいると思います。結論を述べると、それは、マニュアルの文言が「行動化」をベースに書かれていないから。
私は、使われなくなってしまうマニュアルのことを「死にマニュアル」と呼んでいます。 せっかく時間と手間をかけてマニュアルをつくっても「行動化」を意識した文章になっていないと、指示を読んでも、結局、何をやればよいのかが分からず、使われなくなってしまうのです。 時間と手間をかけて作ったマニュアルを「死にマニュアル」化させないためにも、「行動化」の考えと指示の出し方を身に付けましょう。 最初はまどろっこしく感じるかもしれませんが、一度身に付けて、さらには「行動化」を意識したマニュアルを作れるようになると、あなたのもとから仕事がどんどん手離れしていきます。 他人が自分と全く同じ成果を出してくれるようになり、自分の分身を作ることができるのです。
私の提唱する「仕組み化」ではマニュアルも含め、3つのツールを使い分けています。
① チェックシート
② リスト
③ タスク
①は、一般的にいうマニュアルです。
②は、遠足の持ち物リストをイメージしてください。
③は、「今日のやること一覧」です。
以下に、実際に私が作ったり使ったりしているものをご紹介します。
① チェックシート

② リスト

③ タスク

なお、「① チェックシート」と「② リスト」は混同しがちですが、明確な違いがあります。
それは、「その仕事に手順があるかないか」。
手順や順番があるのなら、「① チェックシート」が合っているでしょう。
特に手順などはなく、そこに書いてあるものを準備すればOK、ということであれば、「② リスト」で十分です。
「仕組み化」においては、基本的に、この3つのツールを活用することで、仕事の質を保ちつつ自分の仕事を人にお願いでき、膨大な仕事も記録するので忘れて問題なし、ラクで仕事がまわる形をつくっていくことができるのです。
今回は、仕組み化を推し進めるのにあたって非常に大事な「行動化」を振り返り、作ったマニュアルを「死にマニュアル化」させないためのコツ、そして、「仕組み化」における具体的なツールの概要をお伝えしました。